Simon, et al. (1985) の randomized phase II selection design に対するサンプルサイズ設計
略説
Simon, et al. (1985) の randomized phase II selection design に対するサンプルサイズ設計を行う Web アプリです、JavaScript で作成しています。
このデザインは、2つ以上の試験治療の優先順位をつけるためデザインです。
検証的な試験デザインではありません。
「良い群を正しく選択する確率」をコントロールしますが、仮説検定などを行うわけではないので第一種の過誤の確率を制御しません。
かならず一つの群を選択するデザインであるため、群間差がない場合に特定の群が選択される確率は 1/群の数 になります。
したがって、差がないもとで誤って差があると言ってしまう第一種の過誤の確率をあえて計算すれば $100\%$ になります。
当該試験の後に Phase III 試験を行う計画がない場合、selection design
を用いて標準治療群を群の一つとして設定した試験を行って、その中から選択した結果を提示することは望ましくないでしょう。
また、試験の結果として仮説検定の $P$ 値を示すことも、参考としての提示を意図していたとしても、危険なミスリードを招くため望ましくないでしょう。
Liu et al. (1999) は selection design の false positive rates について議論しています。
例えば、群の数が 2 つの場合では、真の奏功確率が同じであったとしても、偶然に $10\%$ より大きい群間差が観察される確率は $20\%$ ~ $40\%$ と比較的高い値になることが示されています
(サンプルサイズはこの方法で計算; 最小反応確率を $10\%$ ~ $60\%$、最大の群間差 $15\%$、正しく選択する確率を $90\%$ としてサンプルサイズ設計をした場合)。
このデザインの適用には注意が必要で、事前にシミュレーションを行い、実際に得られる群間差がどの程度の確度を持ったものなのかを検討しておくことが望ましいと思われます。
- 「最小反応確率」には、設定した群の中で最も低い奏功確率の見込み値を指定します。0.0 ~ 1.0の値を設定して下さい。
- 「最大の群間差」には、見込まれる奏功確率の最大の群間差を指定します。最小反応確率と最大の群間差の和が 1 を上回ることはできません。
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計算結果
計算条件
参考文献
- Li PY, LeBlanc M, Desai M. False positive rates of randomized phase II designs. Controlled Clinical Trials 1999;20(4):343–352.
- Simon R, Wines RE, Ellenbergz SS. Randomized phase II clinical trials. Cancer treatment reports 1985;69(12):1375–1381.
履歴
- 2015/05/22 説明文と引用文献を追加しました
- 2013/05/16 テストバージョンを公開しました
To cite this page
- Nagashima K. A sample size determination tool for the randomized phase II selection design [Internet]. 2013 May 19 [cited 20XX YYY ZZ]; Available from: https://nshi.jp/contents/js/selection/ (In Japanese).